飛行機好きなら一度は乗ってみたいのがエアバスA380という超大型機。2019年からANAも日本の航空会社で初めてA380をホノルル線に投入することが決まっています。
A380は機内空間が桁違いに広いので、導入している航空会社は、各社威信をかけて超豪華仕様のファーストクラスを設定していたりします。中でもすごいのが中東の航空会社と、そしてシンガポール航空。
そのシンガポール航空が、A380新造機を投入する予定です。ただでさえすごかったスイートクラス(ファーストクラス)はいったいどのように変化したんでしょうか?
- シンガポール航空の旧型A380スイートクラス
- 新型A380の投入を知らせるメールが届く
- 新A380のスイートクラスはさらに豪華
- ダブルベッドはどの並びで可能なのか?
- ダブルベッドの並びが判明
- 新型A380はビジネスクラスでもダブルベッドに!
- まとめ
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シンガポール航空の旧型A380スイートクラス
シンガポール航空の旧型A380のレビューはこちらの記事が非常に有名です。
2014年に書かれた元記事を2015年に翻訳したものですね。2015年10月頃、初めてこれを読んだ時は、私もまだ駆け出しの陸マイラーブロガーでしたから、「いつかは自分もこんな豪華なファーストクラスに乗ってやるゼ……」と野望を胸に秘めつつ、日々ポイント活動に勤しんでいたものでした(笑)。
そのおよそ1年半後となる今年の3月、既に私はシンガポール航空A380スイートクラスを発券済みです! 詳しくは『2017年3月のマイル SQスイート発券! C-3POジェットが楽しかった☆』をお読みください。
しかし気になることがひとつ。
もともと乗る予定だった旧型A380のスイートクラスは、確かに世界初のダブルベッドという超豪華仕様ですが、これ、中央2席のダブルベッドを選択してしまうと、窓からの景色が全く楽しめないんですよね……。
旧型A380スイートクラスのシートマップはこんな感じ。全12席で、左右の窓側に4席ずつ、中央2席が2列4席という形ですね。もちろん、ダブルベッドになるのは中央の横に並んだ2席×2だけです。
なので、深夜便となるシンガポール-シドニーの往路だけをダブルベッドにして、昼間に飛ぶシドニー-シンガポールの復路は、景色を楽しめるように、あえて窓側席にしてあったのです。夫婦2人が窓側の前後席になるという形です。
新型A380の投入を知らせるメールが届く
「まあ、往復の片方だけでもダブルベッドを経験できればそれで充分だろうし、もしかしたら、私たち以外にスイートの客がいなければ、飛行中、窓側席と中央2席を移動する事も許してもらえるだろう。実際、たくあんマイル弁当さんも、貸切状態で好きに移動できていたみたいだし」
と、楽観して、そのままスイートクラスのことは忘れていました。何しろ発券1年後の搭乗予定でしたから、そんなにいつまでもワクワクし続けられません(笑)。しかし先日『マイルで100の世界遺産!旅行記』のTortさんから、こんなことをお聞きしました。
「アニさん、SQスイートについて調べてたんですが来年乗る便ってSQ221とSQ232ですか? その便が新A380になるのでもし押さえられるなら変更した方が良いと思います。SQ231なんかは同じA380でも旧型になりそうなので」
え? え? 新造機? 何それ。
さらに、11月、シンガポール航空からメールが届いたのです。
「親愛なるテラヤマ様、新しいシンガポール航空A380に搭乗する際の違いを体験してください。新しく設計されたキャビンからクリスフライヤーの特長を備えた拡張されたKrisWorldエンターテイメントシステムまで、旅行を再定義する旅にお任せください(Google翻訳)」
うわー! マジだ! そして調べてみると、私が発券してあったのは正に新造機投入便のSQ221とSQ232! やりました! ラッキー!
新A380のスイートクラスはさらに豪華
New Suites and Business Class | Singapore Airlines
まずは30秒の動画を見てください。
何これ! ベッドとソファがあるし完全にホテルの一室だよ!
この新型スイートは、まずは2017年12月に、5機の新造機に導入され、その後シンガポール航空が既に保有している14機も順次改装して、全てのA380をこのプロダクトで統一するそうです。改装にかけるお金は実に970億円。すごすぎ……。
最初に導入される路線は、シンガポール-シドニー線。幸運にも、私が発券してあった便となったわけです。ラッキーすぎる……。
長さ190cmのベッドは収納式ですから、シートのみにすれば部屋は広々。「シートピッチ? 何それ? 美味しいの?」状態となります。
そして驚いたのはこの写真。
え!? ダブルベッドの背に窓があります! なんと中央横並びの2席ではなく、窓側の前後2席でダブルベッドになるようなんです。ダブルベッドにすると窓がないという旧型機の欠点が完全に克服されています。
新型スイートクラスは、ただでさえ横幅の広いA380で、まさかの全席窓側、横2席、計6席のみ。ちょっと自分でも何を言ってるかわかりませんが、「1-2-1」とか「2-4-2」みたいな配列で言うと「2」です(笑)。いったい中央の通路はどれだけ広いんでしょう。想像もつきません。
横並びで座ろうとすると、座席番号は1Aと1Fとなり、消えたBCDEの距離が邪魔して、全く会話はできないと思います(笑)。
座席から通路の方を見たところ。扉の意匠とかがかっこいいですねー。このシートは45度のリクライニングが可能で、さらにぐるりと270度回せるそうです。窓の方を向く事も、こうして通路側のモニターの方を向く事も可能なわけですね。
また、旧型機ではメインデッキに位置していたスイートクラスですが、新型ではアッパーデッキに移動となるそうです。これは意見の分かれるところでしょうが、私は断然アッパーの方が嬉しいです。2階建てバスも絶対2階に乗りたい派です(笑)。ただし、機体の横幅は、2Fアッパーデッキより1Fメインデッキの方が広く、アッパー5.92m、メイン6.98mです。
アッパーデッキにスイートクラスが6席、ビジネスクラスが78席。メインデッキにプレミアムエコノミー44席、エコノミークラス343席。4クラス471席構成です。
スイートクラスは「需要を反映」させて減らしたとゴー・チュンフォン最高経営責任者が言っています。スイート減らし、プレミアムエコノミーを厚くして、収益改善を狙っているんでしょうね。
たった6席しかないスイートクラスのためだけに、2つも用意されているというラバトリー。いや、もうラバトリーという感じではないですね。パウダールームと言った方が相応しいでしょう。
従来の飛行機の概念からすれば、座席の肘掛けに当たる部分。内側が革張りのコンパートメントがしつらえてあります。
スイートクラスの機内食はウェッジウッドの器で供されるそうです。美味そう……。
もう何から何まで豪華ですね。唯一ないのはシャワールームくらいでしょうか? エティハド航空のレジデンスクラスにはシャワーがあるそうです。
ダブルベッドはどの並びで可能なのか?
まさかの「2」配列シートマップを見て、ちょっと悩んでしまいました。一体どことどこの席を予約すれば、正しくダブルベッドになるのかと。
エアバスやシンガポール航空公式の写真を見ると、間違いなくダブルベッドの背に窓がありますから、横並びではなく、縦並びの席でダブルベッドにすると思われます。
しかし、縦に3列しかありませんから、1列目と2列目、あるいは2列目と3列目でダブルベッドにするしかありませんよね? いずれの組み合わせでもダブルベッドが可能なんでしょうか? それとも、1列目と2列目でのみダブルベッドが可能で3列目は完全に独立しているんでしょうか? また、左右どちらでもダブルベッド可能なんでしょうか?
いろんな可能性があるため、迷ってしまいました。とりあえず旧機種時代に予約してあった横並びの座席をキャンセルし、往路は2Fと3F、復路は1Aと2Aの縦並びにしてみました。これなら、最悪、往復のどちらかは必ずダブルベッドになるはずです。ならなかった方は残念賞ということで。
一応日本国内のシンガポール航空に電話して問い合わせてみたんですが、「私どもも、新型機が導入されるということを知ったばかりで、内容は全くわからないんです……」とのこと。
ダブルベッドの並びが判明
座席指定を変えた後、見慣れぬ電話番号がスマホに表示されました。まさかのシンガポール本国からの電話です。もちろん英語。「日本語を話せる人からかけ直してもらえますか?(英語)」と言いましたが、「いません」とのこと(笑)。仕方なくゴミレベルの英語力でなんとか対応しました。
座席指定をどこにしたいのか? という内容だったんですが、「とにかくダブルベッドにしてくれ」とお願いしたところ、なんと、おひとり様の先客の座席指定を変えてまで、往復ともにダブルベッド可能席を用意してくれました。文句言わずに移動してくれた先客さんもありがとう。
これによって判明した事実があります。
- シンガポール航空新型A380のダブルベッド席は1Aと2A、もしくは1Fと2Fで間違いなく可能。
縦並びは予想通りでした。完全にトゥルーとは現時点で言い切れませんが、問題は、3列目はどうやらダブルベッドにできないようだということです。1列目と2列目の並びであれば、左右どちらの窓側でもダブルベッドにできるようです。恐ろしくニッチな情報ですが、誰かの役に立ちますように……。
新型A380はビジネスクラスでもダブルベッドに!
さらに驚く事に、新型A380は、スイートクラスだけではなく、ビジネスクラスでもダブルベッドにすることができるようになっています。中央の仕切りは、一番上まで引き上げればプライベート性を確保。一段階下げれば隣席と話すことができ、一番下まで下げればダブルベッドにすることが可能となっています。ベッド長は198cm。
ただ、残念ながら「ビジネスクラスのダブルベッド」はシンガポール航空が世界初とはならず、既に2017年3月にカタール航空が発表しています。
この写真では中央の仕切りを3段階で見せてくれてますね。スタッガードではないのにベッド長198cmになるというのはいったいどういうマジックなんでしょうか。スイートクラスだけではなく、ビジネスクラスにも乗ってみたくなります。
ビジネスクラスの機内食。スイートほどではありませんが、充分すぎるほど美味しそうです。
まとめ
シンガポール航空A380の新型スイートクラスは、窓際のダブルベッドという驚きの仕様でした。スイートクラスの席数は従来の12席から6席に減ってしまったため、マイルを貯めて乗るのはかなりハードルが高くなってしまっているかもしれませんが、「一生に一度は乗ってみたい!」と思わせる、素晴らしいシート、素晴らしいベッドですよね。
1列目と2列めの縦並びで予約すると、確実にダブルベッドにできるようです。実際の搭乗レポートはまた来年。お楽しみに。
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